尾原和啓さんの新作「モチベーション革命 稼ぐために働きたくない世代の解体書」を読みました。
尾原和啓さんはマッキンゼー、Google、楽天など多数の企業を渡り歩いたITの専門家。
「ITビジネスの原理」や「ザ・プラットフォーム:IT企業はなぜ世界を変えるのか?」など、ITに関する著作が多いのですが、今回は「若者のモチベーションマネジメント」がテーマです。
「乾けない世代」の苦悩
タイトルの「モチベーション革命」。
働くための価値観がある世代を境に大きく変わってきています。
団塊の世代より上の世代の人たちは、何も無かった時代にその空白を埋めるように働いてきました。
働けば今まで変えなかったモノや大きな家、かっこいい車に乗ることが出来ました。
著者はこれを「乾いている世代」と名付けています。
一方で団塊ジュニア以下の世代、生まれた頃から何でもそろっていて「ないもの」がない。
だから何かが欲しいと「乾けない」。
これを「乾けない世代」と呼んでいます。
「乾けない世代」
生まれた頃から何もかもが揃っている30代以下。人間における5つの欲望「達成」「快楽」「意味合い」「良好な人間関係」「没頭」において、とくに「意味合い」「良好な人間関係」「没頭」を重視する。「達成」や「快楽」のために一心不乱に頑張ることはないが、自分が好きな人たちと、好きなことにはとことんハマれる。お金や物的な報酬と関係なく“好き”を追求。たとえば、出世のための残業はしないが、自身が好きなアイドルのライブスタッフボランティアであれば朝まで働ける。
自分は40ちょっとですが、今の20代の子たちほどではないにせよ、物心ついた頃から家に車もテレビも当たり前のようにありました。
そんなに貧しい思いもしたことが無いですし、ある意味「乾けない世代」なんだと思います。
なので、上の世代の人たちが会社に全てを捧げて休みの日も接待でゴルフして。。。。なんて生活には違和感しか感じません。
むしろそんな時間があったら「自分の時間」を大切にしたいです。
その結果、セミリタイアという状況に至っていると言えます。
では、そんな「乾けない世代」はどのようにしてモチベーションを見いだせばいいのでしょうか?
「乾けない世代」の生きがいとは
筆者は「乾けない世代」は「自分が頑張る意味が持てるもの」に「自分が好きな人達」と「とことんハマる」ことが重要だと説きます。
そのために有用なのがMITメディアラボが提唱する4つのP。
・目的共有/Project(プロジェクト)
・親密な関係性/Peer(ピア)
・情熱/Passion(パッション)
・遊び感覚/Play(プレイ)
この中でも特に「情熱」と「遊び感覚」が重要とのこと。
つまり自分がどうしようも無く好きなことと遊び感覚でとことんハマることが大切なんだとか。
このあたりの考え方はホリエモンなんかも同じようなことを言ってますね。
これからAIがどんどん仕事を奪っていく時代、単純労働や事務作業なんかは仕事として成立しなくなっていきます。
そんな時代に、いかに「自分の好きなこと」を見つけて没頭し、その中に「新しい価値」を見つけていくかが重要なんですね。
そして、そんな生きがいを表す面白い図が紹介されていました。
つまり生きがいとは、
・自分が好きなもの
・自分が得意なもの
・世の中が必要としているもの
・対価を得るに値するもの
が交わるところにあるということ。
確かにこれは納得ですね。
でもこれを見つけるのがめちゃくちゃ難しいと思いますけど。。。
なお、それについて、筆者はこんなことも書いています。
やりたくない仕事を続けるくらいならば、いっそ引きこもって「自分の好き」と向き合ったほうが良いです。
これはまさにセミリタイア生活者にも当てはまるんじゃないでしょうか。
ある意味セミリタイア生活というのは、「好きなこと」を見つけるための自分への投資なのかもしれません。
自分は会社を退職してそろそろ一ヶ月が経とうとしていますが、正直言ってまだ自分の中の「好きなこと」が見えてきていないです。
なので、当面は上記の4つのポイントを意識しながら、自分にとって本当に「好きなこと」は何なのかを考えて生活していきたいと思います。